「ロボットと美術」展に相澤ロボットが登場

2010.7.10 - 8.29

夏休みに「ロボットと美術」展が開催された青森県立美術館

「こども美術館デイ」のポスターにも相澤ロボットが


TVロボットが出迎えるエントランス。とても素敵な美術館でした

スタンプロボット「テッちゃん」は展覧会の入り口でご挨拶

ラジコンロボット「三郎」君は戦後コーナーの入り口に


「高度成長期のロボットイメージ」のコーナー。
アトムやガンダムなど大勢のロボットたちが並ぶ中に相澤ロボットも展示されていました

ガイドロボット「一郎」君(中央)と、EXPO'70 大阪万博で活躍したカメラマンロボット「太郎」君(左)、モデルロボット「五郎」君(右)

モデル、カメラマン、ガイドロボットのミニチュア

他にも小型のロボットたちを展示


「楽士ロボット(バイオリン)」は未塗装の状態

「楽士ロボット(トロンボーン)」

電磁石で動作した「楽士ロボット(大太鼓)」

ボール紙工作による3人の「紙製ロボット」
青森、静岡、島根の県立美術館を巡回して現在開催中の「ロボットと美術 〜機械×身体のビジュアルイメージ」展に、相澤ロボットたちが展示されています。

同展はそのタイトルの通り“ロボットと美術との関わりの歴史を紹介し、その文化的意義を問うもの”で、その趣旨を“20世紀に生み出された「ロボット」を科学技術と芸術、そして私たちの身体観の相互的な結びつきを明らかにしようとする試み”としています。

「ロボット」という言葉は1920年にチェコの文学者カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.』で初めて登場した造語ですが、この言葉のできる以前からロボット的な存在は神話や伝承、物語の中に数多く登場していました。その後『R.U.R』は各地で上演されて話題を呼び、世界的なロボットブームが巻き起こるのですが、ロボットのイメージの成立には、当時のマシンエイジを反映してキュビズムや未来派、シュルレアリズムなどの前衛芸術で描かれた機械的人体像も大きく影響しています。
「ロボットと美術」展は、こうしたロボットのイメージのなりたちと、そこから現代に至るまでの歴史を豊富な展示物で解き明かしていきます。

会場では、ロボットをモチーフにした美術作品、実際に研究開発されているロボット、鉄腕アトムやガンダムをはじめとしたマンガ・アニメに登場するロボットなど、実に様々なロボットのイメージが提示されているのですが、その中で相澤ロボットは、昭和の時代を代表する典型的なロボット像として紹介されています。

大型ロボットは、長男のガイドロボット「一郎」君、ラジコンロボット「三郎」君、EXPO'70 大阪万博のフジパンロボット館で人気を博したカメラマンロボット「太郎」君とモデルロボット「五郎」君、スタンプロボット 「テッちゃん」の5人を展示。その他、小型の楽士ロボットや紙製ロボットたちも展示されています。

先日、7月10日(土)から8月29日(日)の日程で同展が開催されていた青森県立美術館へ見学に行って来ました。学芸員の方や館長さんにもお話をお聞きしましたが、来場者の中には、全国のデパートなどを回って活躍していた相澤ロボットに子供のころ出会ったという人が大勢いたそうです。夏休み中の開催ということもあり、久しぶりの再会を懐かしんで子供たちにロボットの想い出を語るお父さんお母さんの姿もよく見られたとか。

「ロボットと美術」展は、現在、静岡県立美術館へ巡回中で、9月18日(土)から11月7日(日)までの日程で開催されています。その後は島根県立石見美術館へ巡回し、11月20日(土)〜2011年1月10日(月・祝)まで開催される予定です。近隣にお住まいの方はぜひ相澤ロボットたちに会いに足を運んでみてください。

なお、会場で販売中の同展図録にも相澤ロボットはもちろん登場しています。初代財団理事長の故・相澤次郎とロボットたちのあゆみについて研究している、編集ライターのテクノタク飯塚さんによるコラム「未来への夢の結晶・相澤ロボット 〜昭和の“ロボット博士”相澤次郎が遺したコドモたち」も掲載されていますので、こちらもよろしければご覧ください。

「ロボットと美術」展 公式サイト